普段、身近な人たちに対して子どもの教育方針や取り組みについて語ることは、ほとんどありません。けれど、七田式プリントを購入した知人がリアルな世界に一人だけいます。夫の大学時代の先輩のご家庭です。
話を聞くと、せっかく購入したのに、そのまま「お蔵入り」になってしまったのだとか。 それを聞いて、少し切なくなりました。同時に、「ああ、きっと同じような思いをしている人は意外と多いのかもしれない」とも感じました。
小さな子どもとの日々の生活の中、プリントを習慣化するのは並大抵のことではありません。「やらない」のではなく「できなかった」だけ。それは、忙しい親なら誰でも経験することですよね。
そんな方へ向けて、私なりの体験談をまとめてみようと思いました。リアルな場ではなかなか話せない、わが家が大切にしてきた『プリントを楽しく続けるための環境づくり』のすべてを、今日はお話ししますね。
七田式プリントAの話が中心にはなりますが、就学を控え「そろそろ学習習慣をつけたいな」と思っている方にも、きっと参考になる考え方があるはずです。
【七田式プリントの魅力】についてはこちらの記事にまとめてあります。
コツ①:「新しいことを教える場所」ではなく「習慣を作る場所」にする
プリント学習の目的を、私は「新しいことを教えること」ではなく、「毎日机に向かう習慣を作ること」だと再定義しました。「知ってる!これなら簡単!」と思えるレベルから始めることが、のちの公文式への「爆速移行」につながる成功の鍵だったように思います。
もし、できないことがたくさんある状態で始めてしまったらどうなるでしょうか。 「できない問題を解けるようにする」ことと、「それを毎日継続する」こと。この二つの高いハードルを同時に超えなければなりません。これは、小さなお子さんにとって相当なエネルギーを必要とします。
でも、できるところから始めれば、「毎日決まった時間に机に向かう」という一つの目標だけに注力できますよね。 実はこれ、公文式の考え方と同じです。学習塾でも「わかるところまでさかのぼる」という手法がよく使われますが、「本人が簡単だと思えるところからやる」というのは、学習において失敗しないための「鉄板」なのだと、わが子の成長を通じて確信しました。
わが家がモットーにしていたのは、「〇は付けても×は付けない」ということ。テストではなく、あくまで「楽しく取り組むこと」を最優先にし、もし手が止まりそうになったらサッとヒントを出してサポートしてあげれば十分です。
コツ②:届いたプリントを先読みし、生活の中で「答え」を仕込んでおく
七田式プリントは、10カ月分がまとめて一気に自宅に届きます。 すべてが手元にあるからこそ、先々プリントでどんな問題が出るのかを親が事前に把握できるのが大きなメリットです。
例えば、「うちの子、まだじゃんけんのルールをよく分かってないな」と思ったら、日常の遊びの中で実際にじゃんけんをして教えてあげたり、「×の書き方を知らないな」と思ったら、プリントをやる日までに絵を描く中で自然に×を書けるようにリードしたりしていました。
「そんなの準備する時間ないよ!」という方のために、我が家が意識していた、子どもが知らないかも知れない概念や遊びのヒントをいくつかまとめておきますね。
(レベル別の仕込み・遊びのまとめ)
これをしておくと、プリントでその問題に出会ったとき、お子さんは「あ!これ知ってる!」と自信満々で取り組めます。「未知の課題」が「知っている得意なこと」に変わる瞬間、子どもの学習は一気に加速しますよ!
コツ③:「先取り学習」を狙っていたわけじゃない
「事前に生活の中で仕込む」と聞くと、「それって先取り学習をがんばらなきゃいけないの?」と思われるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。
実は、次のレベルの「B」のプリントを初めて開いたとき、「あれ?」と拍子抜けしたことを覚えています。「Bを解けるように」と躍起になって先取り学習をしていたわけではありません。ただ、日々の暮らしの中で「面白い!」と思うことを一緒に楽しんできただけでした。
それなのに、いざBの扉を開けてみたら、中身がすでに『日常で遊んだこと』ばかりだったんです。
プリントのルールを机の上で初めて教えるのは大変ですが、生活という「先行体験」さえあれば、あとはプリントで答え合わせをするだけ。これこそが、机にかじりついて勉強させることと、日常の土台を整えることの決定的な違いだと確信しています。
プリントの内容を「教え込む」のではなく、日常の解像度を少しだけ上げることで、子どもが勝手にその先のステージまで見通せるようになる。そんな体験こそが、わが家の知育の原動力でした。
「勉強しなさい」と言う代わりに、「これ、どっちが大きいかな?」と問いかけてみる。机の上だけが勉強の場所ではありません。日常そのものを「知育の舞台」にしてしまうのが、わが家流のちょっとずるい(笑)攻略法です。
コツ④:「〇時にやる」ではなく「〇をしたらやる」と決める
毎日続けるために我が家で一番効果があったのは、「19時になったらやる」という時間ではなく、「今の習慣にセットで組み込む」ことでした。
具体的には、「夕食が終わったら、その足でプリントを出す」というルール(If-Thenプランニング)にしました。 「AをしたらBをする」と行動をセットにしておくと、子供の脳が自然と切り替わるため、「次はこれをやる時間だ」と迷わなくなるそうです。
- NG例: 「19時にやりなさい」と親が時間で指示する
- OK例: 「夕食が終わったら、その足でプリントを出す」と行動をセットにする
この方法にして本当によかったのは、親が一日中「いつやらせようかな」「早くやりなさいって言わなきゃ」と見張るストレスがないことです。
ある日、夕飯後にうっかりいつもの場所へプリントを出すのを忘れていたことがありました。すると、子どもの方から「あれ、今日はプリントないの?」と聞いてきたんです。その瞬間、心の中で思わずガッツポーズをしました。親が言わなくても、仕組みで勝手に動いてくれるようになっていたのです。
ちなみに、このとき身についた習慣は、公文に移行した今でもずっと続いています。学校の宿題が増えても、放課後の遊びが増えても、ブレずに継続できているわが家の最大の財産です。

コツ⑤:「書く」のハードルを極限まで下げる、魔法の工夫
プリント学習において、もっとも子どもが「嫌だな」と感じやすいのが「書く」という作業かもしれません。わが家では、とにかくそのハードルを極限まで下げることを心がけました。
◆道具はなんでもOK!
公文の三角鉛筆にこだわらなくて大丈夫です。クレヨンやマーカーなど、お子さんが今一番手に取りたいものを使わせてあげてください。わが家では、当時ハマっていた『ナンバーブロックス』の色に合わせて数字を書くなど、子どもの「楽しい!」を学習に取り入れていました。(※ナンバーブロックスについての記事はこちら)
◆「できた!」を先回りしてサポート
まだうまく書けない時期は、枠からはみ出したり、線がガタガタになったりして自信をなくしてしまうことがあります。そんなときは、親が文字を書く場所に枠を作ってあげたり、なぞり書き用のガイドを足してあげたりと、先回りしてサポートしました。「自分でできた!」という達成感を守ってあげることが最優先です。
(※七田式プリントの隅にも「必要なら手を持って書いてあげて」と書かれていますが、そのくらいのスタンスで良いんです。)
ちなみに七田式プリントAは「読むだけ」とか「選ぶ(丸をつける)」問題も多いので、書く量はそこまで多くありません。
◆「上手さ」は気にしない
はみ出していても、点と点が繋がっていなくても、当時は全く気にしませんでした。子どもは、あるタイミングで急にスッと上手になる時期が必ず来ます。本人が「線を結ぶのって楽しいかも!」と興味を持ち始めたら、市販のワークを買い足して練習の場を広げてあげれば十分。焦らず、その子のタイミングを信じてあげてくださいね。

字が汚い、はみ出している…そんなことは全く気にしなくてOK!
『自分で書けた!』という小さな成功体験の積み重ねこそが、子どものやる気と自信を育てる何よりの宝物になりますよ。
コツ⑥:「もっとやりたい!」と思っても、あえてそこで止める
自力で簡単にできるレベルを心地よく保ち続けるため、我が家では1日3枚(「ちえ」「かず」「もじ」を1枚ずつ)というルールを徹底し、それ以上はやらせませんでした。
どんどんと先へ進めてしまうと、子どもの運筆力や理解力のスピードを超えてしまい、いつの間にか「難しい・嫌だ」と感じてしまうかもしれないと思ったからです。
(※ただし、わが家のように2歳2ヶ月という低月齢からのスタートではなく、ある程度年齢が上がってから始める場合は、お子さんのペースに合わせてどんどん進めるのも全然アリだと思います!)
ちなみに、子どもから「もっとやりたい!」と言われたときは、七田式プリントの先をめくるのではなく、別の市販のドリルや違う遊びをさせてあげていました。
「もっとやりたいな」というワクワク感を少し残したまま終わることで、翌日も「早くプリントやりたい!」と机に向かう原動力になっていたのだと思います。
コツ⑦:「ゆるい気持ち」で向き合う!完走にこだわらない親の戦略
プリント学習をやるタイミングこそ決めていましたが、我が家ではあえて「ゆるい気持ち」を大切にしていました。例えば、幼稚園に通い始めて疲れている時期や、遠出をした日、お昼寝ができなかった日などは、思い切って2カ月ほど一切やらない時期もありました。
2歳という低年齢からスタートしたからこそ、「就学までにはまだまだたっぷり時間がある」という心の余裕があり、目先の進捗に焦らずにいられたのが本当に良かったです。低年齢の頃は、なにより「プリント=嫌なもの」にならないことを一番に注意していました。机上の勉強は、少なくとも18歳まで続く先の長いものですからね。
そして、これだけ七田式プリントをおすすめしておいて何ですが、わが家は七田式プリントを完走していません。 完走することよりも、「子どもの今の興味や力量」に合わせることを優先しました。
- もじ: Cの途中から、Dの漢字学習へ思い切ってスライド
- かず: C・Dを飛ばして、より発展的な問題集へ
こんな風に、完走することに執着せず、子どもの状態に合わせて柔軟に学習ツールをチョイスしていきました。大切なのは、形に囚われることではなく、子どもが「勉強って楽しい!」と思える環境を守ることです。


七田式で土台を築いたからこそ、その後の公文の学習も苦なくスタートできました。
完走にこだわらず、子どもの成長に合わせて柔軟にツールを切り替える『親の戦略』も大切だったように思います!
\ まずは七田式プリントAからチェック! /
「うちの子でもできるかな?」と思ったら、まずは一番最初のステップから。毎日の習慣作りを優しく支えてくれる、我が家の原点となったプリントです。
結び:「プリント=勉強」ではなく「プリント=最高の承認タイム」
今改めて、2歳の頃のわが子が机に向かっていた姿を思い返してみます。 当時の私は、プリントを解くわが子を見て「よく分かったね」「上手に書けたね」と、毎日飽きもせず声をかけていました。あの時間は、間違いなくわが子にとって「褒められることしかない空間」だったと思います。
今になって当時のプリントを見返すと、線はたどたどしく、決して完璧とは言えません。でも、当時の私は本気で「天才だ!」と思って褒めちぎっていましたし、夫が帰宅したり実家の母がやってくれば「見て、こんなにできたんだよ!」と嬉しそうに自慢していました。
プリント学習の本当の目的は、運筆の正確さそのものよりも、「机に向かって親と一緒に過ごす、最高に楽しい時間を作ること」にあったのだと感じています。
「プリント=勉強」という認識よりも、「プリント=お母さんからたくさん認められる嬉しい時間」という感覚が強かったからこそ、2歳という低月齢でもあんなに意欲的だったのでしょう。
◆「勉強は、褒められるためにやるものじゃない」と知るために
もちろん、小学生になった今、私はいつも同じように褒めたりはしません。勉強は誰かのためにするものでも、褒められるためにするものでもないと、本人も分かっているからです。今の頑張りを認めることはあっても、当時のように過剰な称賛はしません。
振り返れば、幼児期のあの濃密な「褒めタイム」があったからこそ、勉強に対する「自分はできる!」という根拠のない自信と、「学ぶことは楽しい」という感覚が、子どもの心にしっかりと根を張ったのだと感じています。そんな風に、我が家の幼児期はただただ楽しく褒め合う時間を大切にしてきました。
あれから時は流れ、今のわが子は公文式で『高進度学習者トロフィー』をいただけるまでになりました。でも、あの大げさなトロフィーよりも、私にとっての一番の宝物は、今も昔も変わらず「自分から進んで机に向かい、学ぶことを楽しんでいる姿」です。
もしあの頃、幼児期に無理やり鉛筆を握らせていたら、きっと今のこの意欲は育っていなかったはずです。あの時の『たどたどしい線』から始まったプリント学習が、ちゃんと今の『学びを楽しむ力』に繋がっていたのだと、こうしてトロフィーを眺めながら心から確信しています。
まとめ:完璧じゃなくていい。「楽しい時間」を積み重ねよう
七田式プリントを始める前は、「毎日ちゃんと続けられるかな」「途中で嫌がったらどうしよう」と不安になることもあるかもしれません。
でも、大切なのは上手にプリントを解くことでも、予定通りに完走することでもありません。
- 親子の習慣にスッと組み込み
- ハードルを限界まで下げて
- 生活の中で「楽しい!」の仕込みをしておく
そんな「ゆるくて温かい親の戦略」があれば、子どもは自然と机に向かうようになります。そして何より、親子の「最高の承認タイム」が、子どもの確かな土台を作ってくれます。
焦らず、比べず、我が子のペースを信じて。今日から少しずつ、楽しいおうち学習の第一歩を踏み出してみませんか?
\ まずは対象年齢に合わせてチェック!/
七田式プリントA(対象:〇×が書ける、大小・長短がわかるお子さま)
七田式プリントB(対象:ひらがなが読める、数唱ができるお子さま)
七田式プリントC(対象:簡単なひらがなが書ける、10までの足し算ができるお子さま)




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